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2015年度総論

東日本大震災からもうすぐ4年が経過しようとしている。道路や鉄道の修復が進み、復興を感じとれるようになってきている一方で、災害公営住宅の建設に遅れが生じている。また、福島の原発事故以来停止していた日本全国の原発のうち幾つかが再稼働を認められようとしている。2014年8月には広島県広島市や兵庫県丹波市では土砂崩れが発生し、多くの家屋が土に飲み込まれるという大きな災害が発生した。また、9月には御嶽山が噴火し、山頂付近にいた登山客が巻き込まれ、多くの犠牲者が出たことは記憶に新しい。
政治の面では、4月に消費税が8%に増税され、2014年は国民の負担が大きくなった年であった。7月には憲法9条のもとで許容される自衛に関する措置が閣議決定された。この閣議決定では集団的自衛権の行使が容認された。
一方で明るい話題もあった。2月に行われたソチオリンピックではフィギュアスケートの浅田選手やスキージャンプの葛西選手の活躍により、日本中が湧きあがった。10月には20世紀中は難しいと言われていた「青色発光ダイオードの発明」に対し、赤崎、天野、中村教授らにノーベル物理学賞が受賞された。
このように、2014年は自然災害や今後の日本の行く末に不安を感じると共に、期待と希望を抱く1年であった。

教団では、2012年より開始された「神人あいよかけよの生活運動」が継続されている。立教150年を経て、今後一層に立教の意義と精神を確かにしながら、教主金光様がお示しくださった「神人の道」を頂き、一人ひとりの生活の中に神様の喜ばれる信心の実践が現されていくことが願いの基盤にある。
そして、2015年は、教祖130年、教祖生誕200年と2年続いた大きなお年柄から新しい一歩を踏み出す。教団では、基本方針「世界・人類の助かりに向けて、金光大神の信心を求め現す―この道のおかげの自覚をもとに、お礼と喜びの生活を進め、『神人の道』を開く―」が打ち出された。
私たち金光教フォーゲルにおいても、生神金光大神様の願いの中で、天地金乃神様のおかげの中で生かされて生きているということに改めてお礼を申し、このありがたいお道を世界の青少年に伝える働きを進めていきたい。

今一度、金光教フォーゲルは、「子どもたちに信心を伝える」という願いを大々的に掲げたい。一人の人に信心が伝わる、一人の人が信心するようになるには、その人の中で、多くの時間やプロセス、働きが必要である。その中でも、生まれた時からの絶えることのない周りの存在からの祈りはその人の成長に大きく影響する。今の私たちが受けてきたように、フォーゲル活動を通して、子どもたち一人ひとりを祈っていき、神さまのおかげを頂きながら、子どもたちが本当に大切なことに気付き、やがては神様に心を向け、信心しておかげを受ける人に成長していく働きを目指したい。じっくりと、根気強く、子どもたちに信心を伝えるフォーゲル活動を展開していきたい。
その、信心を伝えることにおいて、私たちが大事にしたいあり方は「神様と共にさせていただく」ということである。そのことを強く現された事柄の一つに昨年度の全国合同ふじなみキャンプがある。キャンプ直前に列島を直撃した台風という危機的状況の中、フォーゲル全体が、神様に心を向け、子どもたちが成長のおかげを頂ける場を願い、祈らせていただいた。結果、開催、元気に4日間を過ごさせていただくことができ、「天地のいのちにありがとう」という願いのもと、参加した一人ひとりがお育ていただいたキャンプとなった。フォーゲル活動を進めるものとして、どのような状況にあっても、神様に心を向けさせていただき、神様から頂いているおかげと共に、子どもたちと向き合い、活動していきたい。
そして、さらにこれからも強く抑えていきたいのは、このようなフォーゲル活動を、より多くの青少年に、「広げていく」という意識である。今、来てくれている隊員を祈っていくことはもちろんのこと、今、来ていない隊員を祈っていくこと、より多くの子供たちが助かっていくことを願っていくことが必要である。2014年には金光教武蔵小杉教会に「あらしフォーゲル隊」が誕生した。この、子どもたちに信心を伝える環境がまた一つ生まれた有り難い働きは、東日本連盟全体のさらにこれからの元気な活動を推し進めようとする動きに繋がっている。教会から心が離れている隊員、信心という世界に触れたことのない子供たちがこのお道を歩み始めることは、非常に難しく大変なことである。しかし、皆変わらない神様の氏子としていただき、助かっていく道に進ませていただけるよう、願っていきたい。隊活動での地道な誘いかけを中心に、フォーゲルに興味を持つ教会へのアプローチなど、より多くの子供たちに広げていけるよう、努めていきたい。

ここで、私たちフォーゲルリーダーは「自らが信心を求める」ことに強く取組んでいきたい。自らが神様を求めていく中で、体験、実感したことこそ、本当に「伝える」ことができるというものではないだろうか。そして、子どもたちはリーダーのことをよく見ている。信心をまっすぐに求めている姿勢が、子どもたちには伝わりやすいのではないか。子どもたちと共に求めていき、共に成長していきたい。
そのためにも、実践として、今までフォーゲル活動をさせて頂いていることに対するお礼、神様の願いに対してつい人間心で行ったことに対するお詫び、神様の願いに沿ったフォーゲル活動をさせて頂けるようにお願いをし、子どもたちに信心を伝えていきたい。

2015年は金光教フォーゲル連盟最初の隊である「わかくさフォーゲル隊」が発隊してから65年を迎える。数多の方による祈りやご尽力の中で生まれたフォーゲルがここまで途切れることなく活動を継続させて頂いたことは、何事にも代え難いおかげである。教祖金光様、天地金乃神様にこれまで活動させて頂いたことにお礼を申し、ここから新たな一歩を踏み出すためにも、この結成65周年を盛大にお祝いし、フォーゲルをもう一度盛り上げていきたい。そして、目の前の子供たち、延いては世界の青少年に信心を伝える活動を神様と共にさせて頂きたい。

また、2015年は第2次世界大戦の終戦から70年、阪神・淡路大震災が発生してから20年を迎える。多くの方々が御霊様になられた大きな出来事からの節年を通して、改めて生命の尊さを子供たちに伝えていきたい。

今も昔も、フォーゲルは子どもたちを取り巻くその時の社会問題に向き合ってきたが、それは目の前の子供たちに信心を伝える活動の先に、世界の青少年に信心を伝えようという願いがあったからである。そのような願いを実践するためにも、改めてリーダー一人一人が神様に心を向け、天地に生かされ生きている私たちであることに気付かせて頂き、教祖様の生きられた道を子どもたちに伝えていけるようになりたい。