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2019年度総論

2019年、本教は立教160年のお年柄をお迎えした。今から160年前、教祖様が立教神伝のおぼしめしを頂かれ、生神金光大神取次の道、神と人とあいよかけよで立ちゆく「神人の道」を、身をもってお示し下された。本年はこの教祖様のおはたらきに御礼を申し、そして立教以来、教祖様、歴代金光様の御取次、さらには直信先覚をはじめとした多くの先人の方々の布教のご苦労と、今に続く祈りの尊いお働きに対して御礼を改めて申し上げていく一年である。また、信奉者である我々に対して、このお道を確かに歩み、「神人の道」を開くお役に立たせていただくよう願われている一年でもある。その中で本教は、「世界の平和と人類の助かりに向けて、『神人の道』を開く−御取次を願い、頂き、神心となって、人を祈り、助け、導く−」との基本方針を掲げ、願いを表した。

この立教160年のお年柄の意義を頂きながら、金光教フォーゲルは、本年も各教会での隊活動をベースに、一人の人間が「信心しておかげを頂いて生きていく人」に育っていくよう、運動を展開していきたい。明年のフォーゲル結成70周年を見据え、改めてフォーゲル創始者である金光達太郎師の、青年時に体感された「このお道の働きのありがたさと感動、それを一人でも多くの人に伝えたい」という思いをフォーゲル皆で頂き直したい。そしてその思いを成就させるべく生み出された「子どもの時からの信仰教育」という「フォーゲル」の方途を、今の子どもたちに向けて、より一層進めていく。

さて、「子どもの時からの信仰教育」について、今一度求めてみるとしよう。一人の子どもが、信心をしていく人になるには、生まれてから大人になるまでに、周りからどういう働きを受け、どういう風に育っていけば良いだろうか。
このお道では人間は生まれる時、神様から「神心(分霊)」を頂いて生まれてくると教えられている。一人ひとりそれぞれが、神様から頂いた「神心(分霊)」というものを持っている。その神心をお育ていただくには何かしらの「はたらき」が必要である。子どもが抱く純粋で素直な心、時には嬉しい気持ちや悲しい気持ち、色々な心の動きは、それらの豊かな心を受け止める「はたらき」や「存在」に包まれた時、大きな安心を掴むこととなる。そして、生きる喜びを感じ、その喜びの中でたくさんの大切なことに気づき、さらにこのお道の教えを聞いて天地の道理を学び、求め考えていくことができれば、ゆくゆくは人が助かるお役に、神様のお役に立ちたいという「神心」がお育ていただけるのではないか。そのようなはたらきが現わされる場、一人の人間が「神心をお育ていただく場」を、一つでも多く子どもたちに提供していくことがフォーゲル運動である。

その中で近年の課題として、子どもたちを育てる側の「リーダーの育成」が必要と挙げられており、本年も連盟の重要課題の一つとする。
子どもたちの「神心をお育ていただく場」が指す具体的な場とは、他ならぬ隊集会である。そしてその隊集会で、子どもたちにとって大きなはたらきとなるのがリーダーである。小さい子どもが大人になっていく中で、長期的に子どもたちの心を受け止め、理解し、見守り、祈り、はたらき掛け続けるリーダーの存在が大事なのである。このようなリーダーの存在により、子どもたちは前述のような成長を頂けるのではないか。だからこそ「リーダーの育成」が重要なのである。
ただし、そのリーダーの精神は、常に「神様と共に」という神人の道を生き方に表そうとする人であることが必要である。自分が子どもたちを成長させているという思いではなく、子どもたちの助かりのために神様のお手伝いをさせていただくという精神であるからこそ、子どもたちは神様と繋がり本当の助かりを頂けるのである。従って、リーダーはどこまでもフォーゲルを「神様の御用」と心に持ち、進めたい。そういう思いに立って活動することが、リーダーとしての信心の中身の一つである。ただ、リーダー皆がこのような信心が「できているか」というと、必ずしもそうではない。しかしながら信心が「できている」ことよりも子どもたちにとって大切なのは、リーダー自身がいかに信心を「求めているか」というところである。リーダーが生きていく上において、信心を「求め」、神様を「求め」ていくその姿勢に、子どもたちは魅力を感じ、影響を受け、お育ていただくパワーとなるのではないか。リーダーも子どもも共にイキイキと信心を求め、共に育ち合うその空間、世界を、フォーゲルの活動に、隊集会に求めたい。
そして、この「神心をお育ていただく場」を「集会」と捉えるならば、フォーゲルリーダーの活動の場すべてが、「集会」と言えよう。子どものことや相手のことを祈り、活動するリーダーのはたらきが、「神心を育てる場」を生む集会なのである。従って、世界大会もソアリングキャンプもサマーキャンプも、公園で一緒に遊ぶことも、子どもと1対1でお話しすることも、我々リーダーは一つの集会として祈り、取り組んでいく。

これらを受けての本年度の取り組みとしては、「リーダーの育成」として、リーダー一人ひとりがフォーゲルを「神様の御用」という精神で進めていくリーダーにお育ていただけるような場を設けたい。具体的には、各個人個人の段階や状況に応じた内容を学ぶことができる「リーダー研修会」の開催、さらには、このお道の信心をご霊地にて一心に求める「フォーゲル修徳殿入殿」を開催していく。そして、一つでも多く、子どもたちが育ち合う場の提供を願い、全国の隊に対して集会(教材)モデルを提示する「連盟推奨集会」などを実施する。また、本年の「世界大会」は、次年度に控えているフォーゲル結成70周年を見据えて、各地の隊活動がより盛り上がる効果を生み出す大会にしたい。なお、信仰教育最高の場として位置づける「ソアリングキャンプ」についても、全国の皆が一丸となって「高校生年代」を祈り、支え取り組みたい。

以上述べてきた今年度の活動に取り組んでいく中で、子どももリーダーも、一人ひとりがイキイキと成長していくことを願う。そして翌年、喜びあふれる70周年を迎えると共に、フォーゲル結成80周年、100周年に向かっての新しいスタートを切らせていただきたい。