教団は昨年に引き続き「世界の平和と人類の助かりに向けて、『神人の道』を開くー御取次を願い、頂き、神心となって、人を祈り、助け、導くー」との基本方針を掲げられた。また、第55回通常教団会において、教務総長が次のような説明をされている。

教主金光様から、「教祖様は、『金光』とは金光ると書き。明い方（あかいほう）は誰でも見ようが。おいおいには明い方へ人が来る」とおっしゃっています。……」とのお言葉を頂いた意味は大きいと思っております。歴代金光様をはじめ、各教会の初代、先人の方々が、生神金光大神取次を現され、「明い方」なる存在として、生神の光を輝かせ、難儀な人々を救い助けていかれた御用の在り方に学びつつ、求めてまいらねばならないと存じます。（金光教報2020年1月号P22参照）

これは今日の社会情勢や社会構造における厳しい状況の中で、教団・各教会もまた布教上の問題を抱え、模索を要する状況を見られての説明である。私たちフォーゲルも、子どもたちが抱えた様々な現代社会の難儀を見たとき、教会、地域、社会における「明い方なる存在」「明い活動」になることを、今こそ神様に願われているのではないだろうか。

昨年度、フォーゲル連盟は「みがけ神心」を基本方針に掲げた。
子どもたち一人ひとりの中にある心、それは神様からいただいている「神心」であり、その心が育ち、磨かれていくことを願い生まれた基本方針である。そして、そのようなはたらきが生まれる活動を私たちフォーゲルは目指しており、その活動の中心となるのが「集会」である。
リーダーが願いを立て、子どもたちと「集会」を行うことによって、それぞれの神心を磨いていくことにつながる。それは「集会」の中で遊んだり、話をしたり、何かに取り組む。また、リーダーが優しく接したり、共に新しい発見をしたり、時には厳しく指導したり、「集会」では心がたくさん働き、動き、成長する。リーダーと隊員、そして隊員同志が互いに心を通わせ働き合う中に安心を覚える。そのような働き合いを願いとし集会を重ねることで、その奥にある神様のお恵み・おはたらきに気づくことができれば、子どもたちが安心の中で生きる喜びを感じ、さらにはそれが信心に繋がっていくのではないだろうか。
子どもたちの心がどう育ち、磨かれていくかということを考え、リーダー自身が神心を求め、磨いていく、その姿が隊員に伝わり、また隊員の神心も磨かれていくのではないか。それが70周年という節目を迎えた今、「金光教フォーゲル」が目指す活動である。

これまで神様の願いのもと、フォーゲルも歴史を重ねる中でたくさんの活動が生まれてきた。しかしながら、時代における向き不向きもあり、続けるか続けないかという判断に迫られる事柄も多くなってきている。そこで大切なことはなんだろうか。それは、今いるリーダーが常にフォーゲル誕生の願いと、その願いに基づいた今月今日の活動を生み出すことではないだろうか。
70周年の節目を迎えた今、変わらぬ願いの中で、しかし時代に即して変わり続ける「金光教フォーゲル」のスタートになるよう、まずは意識を変える1年にしていきたい。そして、そのようなリーダーの願いから生み出された活動は、新たな活動であっても、従来の活動であっても「『今』の願い、『今』の活動」、今月今日の活動になるのである。

「連盟推奨集会」については昨年度から引き続きを行い、フォーゲル活動のベースにある「隊活動」がイキイキするよう取り組んでいきたい。リーダー一人ひとりが隊活動に取り組み、神心を磨くということを通してリーダーの御用という核心を掴んでいきたい。
「世界大会」は70周年の節目をフォーゲルみんなで喜び、願いを新たに行いたい。今のフォーゲルリーダーが今できる最高のかたちを求め、実意に取り組むことで、今までフォーゲルが続いてきたお礼と、ここからますます発展していく願いを現わしていきたい。
「ソアリングキャンプ」においては、信心しておかげを受け、助かっていくシニア隊員が1人でも多く生まれることを願っている。キャンプの願いやプログラムの準備はもちろんのこと、多くのシニア隊員が参加できるよう取り組んでいきたい。
「組織体制」についてはこれからも隊活動を中心に、各隊の活動が繁栄、継続していくよう、隊の中だけでは成しえないことを全国連盟が企画開催し、その間を各地方連盟がサポートするような形を、数年かけて作り上げていきたい。

この70周年の節目に「隊活動・世界大会・ソアリングキャンプ・組織体制」に対し一人ひとりのリーダーが願いを持ち、取り組むことによって、来年、再来年には新たなフォーゲル活動が展開していくに違いない。
この1年でリーダーの意識が変わり、明い方へと向かっていくことを期待する。「みがけ神心」の基本方針のもと、フォーゲル活動を通して子どもたちの心が成長し豊かになり、一人ひとりの神心が磨かれていく。そんな明るく元気な活動を行う「金光教フォーゲル」を創造していきたい。